アフタヌーンティーとは?イギリスでの成り立ちと文化的背景

紅茶について
この記事は約4分で読めます。

“アフタヌーンティー” って、どんなものですか? という質問をよく受けます。

「イギリスの貴族社会で流行ったらしい」「3段のトレーに豪華なお菓子が沢山のっている」「質のよい紅茶がたくさん飲める」「マナーに厳しそう」… そんなイメージはあるものの、元々どうして何のために始まったものなのかはよくわからない。
そういう方もどうやら多いようです。

今回はアフタヌーンティーの歴史について、まとめておこうと思います。

アフタヌーンティーのはじまり

1845年頃のこと、7代目ベッドフォード公爵夫人・アンナマリア(1783~1857)の個人サロンから、アフタヌーンティーの習慣は始まり、広がっていきました。

このころ貴族の夫人は、朝起きると最初にベッドの上で朝のお茶を飲み(=ベッドティー)、豪華でたっぷりの朝食を食べます(=イングリッシュ・ブレックファスト)。
そのあとは軽いランチをとるか、もしくは何も食べずに遅い夕食の時間を待っていました。

貴族たちの生活習慣ではディナーの前には音楽会や観劇があることが多く、夕食までにお腹がすいてしまう。
そのため午後3~4時ごろから夕方までに、焼き菓子やサンドイッチを食べて紅茶を飲む… ということをアンナマリア夫人が始めました。

これを客人にもふるまったことから、『アフタヌーン・ティー』と呼ばれアンナマリアのサロンの名物になっていきました。
そしてアフタヌーンティーに招かれることはイギリス貴族社会の中でもひとりの貴婦人として認められたと自慢できる話題の種になり、また他のサロンでも同じくアフタヌーンティーを催すようになった、という訳ですね。

こうして始まったアフタヌーンティー。
“社交場”のひとつの形であったものでしたが、現代までのあいだに様々な様式に工夫され簡略化され、姿を変えていきました。
イギリス全土の庶民たちの間にも根付いてゆき、ホームパーティーの形式となり、レストランやホテルのサービスの一形態となり… 今では世界へと認知された文化となっています。

アフタヌーンティーの必需品、3段スタンド

また、アフタヌーンティーの催しは食堂だけでなく応接室でも行なっていました。
応接室の背の低い小さなテーブルでは、人数分の茶器を置くとそれだけでいっぱいになってしまう。
そのため、お茶菓子や食事を置くための工夫として、3段スタンドが考案・開発されました。

現在では、3段スタンドを見ると華やかさとアフタヌーンティーの優雅な雰囲気を感じるため、「アフタヌーンティーにはこれが必需品なんだな」と思われていることが多いようです。
上記のような理由から、利便性を追及して作られたものだった… このことを知っていると、少し通っぽい感じがしますね。

「ハイティー」という言葉

アフタヌーンティーと並んで、“ハイティー”という茶の時間を表す言葉があります。

ハイ(high)=高いという言葉の意味から、アッパークラスの茶会、アフタヌーンティーと近いイメージを抱いている方もいるようです。

しかし、このハイティーのハイはまったく別の言葉を起源とするもので、“ハイテーブル”もしくは“ハイバックチェア(子供用の、背もたれが長い椅子)”のどちらか(または両方)を指しているという説があります。

元々のアフタヌーンティーが、上流階級によるローテーブルに高価な茶器と3段スタンドを並べて楽しむ茶会・社交場を意味するものとするならば…
ハイティーは、背の高いテーブルと椅子で労働者階級の人たちが夕食をとる、午後6~7時頃の「夕食と茶」のことを指す言葉です。
イギリス英語圏では、現在でも食事のことを“tea”と表現することがあります。

ちなみに、ハイティー・ブレンドという紅茶商品がメーカーからいくつも出ています。
夕食に出される、味の濃い肉料理や魚料理と合わせても負けない、濃いめの味わいを持たせた茶のブレンド。
繊細な香りと味がテーマのアフタヌーンティー・ブレンドとは対照的と言えるでしょう。

現在のアフタヌーン・ティー

アフタヌーンティーは、イメージとしては上流階級の文化として認識されている場合が多いです。
しかし現代の英国では、上流から労働者階級まで幅広く普及した習慣。
もはやそのほとんどが固い礼儀作法などのない緩やかな社交の場、となっています。

日本でも、多くのホテルラウンジやレストランがアフタヌーンティー形式の食事メニューを提供しています。
その多くは堅苦しいマナーなど気にする必要のない、気軽な場所です。

当時のイギリスの貴族社会の習慣に思いを馳せつつ、美味しい紅茶とお菓子や、同席の方々との会話を存分に楽しみましょう。

終わりに

アフタヌーンティーの事について紹介させていただきました。

こんな背景を知りつつ、レストランのアフタヌーンティーでお茶を出来たらきっと楽しいですね。次の機会に、アフタヌーンティーへ行く時の知っておくと良い事なども紹介しようと思います。

素敵なティータイムを過ごせますように。