お茶にそれほど興味がない人でも、まず名前は知っている「アールグレイ」。
日本では1,2を争う人気の紅茶であり、世界的にもとてもポピュラーな飲み物です。
しかし紅茶の中の「どんなものか」というところまでは、それほど理解していない人も多いように感じます。
今回は、このアールグレイティーについて詳しく紹介します。
アールグレイはフレーバーティーの1つ
アールグレイティーは、紅茶葉に「ベルガモットオレンジ」という柑橘系の果物から採れる植物油を使って着香したフレーバーティーです。
世界で初めての「人が作ろうとして作ったフレーバーティー」であり、19世紀から伝わる伝統の製法。
柑橘系の爽やかな香りが紅茶の風味と相性抜群で、また様々なアレンジに使いやすい、世界的に人気のフレーバーティーです。
アールグレイの元になっている茶葉
はじめは、「キーマン(祁門)」という産地の紅茶葉に着香したものだけをアールグレイティーと呼んでいました。
しかし今では、産地に限らずベルガモットオレンジで着香した茶葉はすべてアールグレイと呼ぶようになっています。
アールグレイの香りの元
イタリア・シチリア島に生育する柑橘の果実、『ベルガモットオレンジ』の皮から採れる植物油を使います。
ベルガモット・オレンジ
・主産地:イタリア南部カラブリア州
・学名:Citrus bergamia(シトラス ベルガミア)
・科・属名:ミカン科・ミカン属
余談ですがこのベルガモットオレンジという果物、果実のほうは苦みが強く生食には向かないのだとか。
皮から採れる植物油の香りがよいだけという、なんとも不思議な果物ですね。
また「アロマオイルのベルガモット」も同じ原料です。
ただし、アロマオイルのベルガモットには2種類あって、シソ科ヤグルマハッカ属の「モナルダ」という花を原料としたものもあるそう。なかなか紛らわしいところです。
アールグレイ(Earl Glay)の名前の由来
1830年~1834年のイギリス首相、第二代チャールズ・グレイ伯爵に由来します。
Earl (アール):伯爵
Grey (グレイ):人名
グレイ伯が中国の「ラプサンスーチョン」を甚く気に入って、当時高価だったこの茶の味をなんとか再現しようと紅茶商のジャクソン社に依頼して作らせたのが始まり、と言われていますが…
複数の説があり、確かなことは定かではありません。
少なくともこの頃1820年代には、ベルガモットオレンジにより着香された紅茶が存在していたようです。

アールグレイティーのアレンジ
アールグレイはアイスティーにしやすい紅茶の定番です。
紅茶は冷たくすると、ホットと比べてほとんど香りが広がらないため、風味にかなりの差がでることになります。
しかしアールグレイの着香された香りはアイスにしても消えず、豊かに感じることが出来るため。
また、タンニンの少ないアールグレイの茶葉は「クリームダウン現象」を起こしづらいという利点もあります。
(参考:簡単で美味しいアイスティーの作り方2種)
そしてこのアールグレイ・アイスティーは、オレンジジュースやグレープフルーツジュースとも相性抜群。
甘みをつけて比重を偏らせることで作れる「セパレート・ティー」も爽やかで美味しいレシピです。
またの機会に紹介させていただきましょう。
また、アールグレイティーはミルクとの相性もかなり上々。
「アールグレイにミルクを加えるのは邪道」という意見もあるようですが、爽やかな柑橘の香りにミルクのまろやかさと少量の甘みが加わると、なんともまとまりが良い高貴な味のハーモニーを感じることが出来ます。
是非とも、一度先入観なしに試して頂きたいところです。
アールグレイ茶葉を使ったお菓子
アールグレイの香りは着香されたものであり、高温に晒しても爽やかな香りを保つことができます。
そのため焼き菓子などに度々使用されており、アールグレイの茶葉を使ったクッキーやケーキ等も、商品としてよく見かけます。
ただしこれは紅茶の香りのお菓子、というよりはベルガモットオレンジの香りのお菓子と言うべきかも知れませんね。
身近にあるアールグレイティーの商品
お店のアイスティーの多くはアールグレイ
カフェやレストランで提供されている「アイスティー」のうち、多くはアールグレイの茶葉が使われています。
これはなぜか?
例えばフレーバーのない紅茶をアイスにすると香りの広がりが感じられず、悪くすれば「質が低い茶なのか?」と勘繰られてしまうこともあるのだそう。
そこでアールグレイティーは、よく香りが広がる・アレンジが利きやすい・よい紅茶のイメージがある、と非常に使い勝手が良いのです。
ちなみに私の勤めていた英国系の紅茶店でも、毎日アイスのアールグレイティーを用意していました。
あの紅茶商品も、実はアールグレイ
『紅茶花伝のロイヤルミルクティー』は、アールグレイの茶葉を使った商品です。
フレーバーのないものと並べて飲んでみると、明らかに香りの違いが分かります。
アールグレイのおすすめ商品
アールグレイ・クラシック / フォートナム&メイソン![]()
バランスが取れていて非常に美味しいです。
ゴールデンアールグレイ / ロンネフェルト![]()
基の茶葉としてダージリンを使っている、珍しいアールグレイティー。
終わりに
「アールグレイティーが好き」
「何故かわからないんだけど、他の紅茶よりも圧倒的に好き」
たまにそういう意見を聞くことがあり、私はとても嬉しくなります。
上記に挙げたような分類や背景を知るよりも前から「好きだ」と自分の心が感じているとき、それは感覚の趣味嗜好に違いありません。
知れば知るほど面白い紅茶の世界ですが、そういった初心を忘れずにしたいところです。
そしてこれから感覚を深めて、新しい自分に出会う権利を持った方々のことを、私はとても羨ましく思うのです。
是非とも色々と、試してみて頂けますと幸いです。
良いティータイムになりますように。
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