「ゴールデンルール」という言葉を聞いたことがあるでしょうか。
茶葉を使って紅茶を作る際に、その茶葉の持つ香りや風味を引き出すためのポイントが5つあります。
せっかく質の良い茶葉を入手したので、少しでも美味しく頂きたい…
そんなときには、しっかりと入れ方にもこだわって美味しく仕上げたいところですね。
今回は紅茶の美味しい入れ方、ゴールデンルールと呼ばれるものを紹介します。
紅茶の入れ方、ゴールデンルール5つ
- 良質で新鮮な茶葉を使用する
- 事前にティーポットをあたためる
- 茶葉の分量を計る
- 汲みたての水を沸騰させて使用する
- 蓋をして、必要な時間をしっかり蒸らす
この内容は1935年の本、「オールアバウトティー」にW・H ユーカース(米)という人物が書いたのが始まりです。順番に解説していきます。
1.良質で新鮮な茶葉を使用する
紅茶の茶葉は乾燥しているため非常に賞味期限の長い食品です。
しかし光や空気と反応して変質していくので、開封後に時間の経った茶葉は味が劣化していると思うべき。
保管は冷暗所を基本とし、またパッケージを一度でも開封した紅茶葉は、1ヶ月を目安として早めに使い切るのが良いでしょう。
1900年代前半とは違い、「良質でない茶葉」というのは現代の日本ではあまり市場に出回ってはいません。また「高価なほどに良質」と考えるのも、また一概にそうとは言えません。
ご自身の感覚にとって心地よい香り・味の茶葉を見つけましょう。
2. 事前にティーポットをあたためる
紅茶葉はお湯の温度の高いときに良い成分が抽出されますが、ティーポットを室温そのままで使うと100℃の熱湯を注いだとしても一瞬で10℃ほど下がってしまいます。この時間をゆっくりにしてあげるため、一度お湯を注いで捨てるなどして、先に温めておいたティーポットに茶葉と熱湯を入れて抽出を始めるようにしましょう。
3. 茶葉の分量を計る
茶葉の分量は少なすぎると充分な味が出せず、水っぽい味の紅茶になってしまう。
逆に多すぎてもタンニンの割合が高くなりすぎて、不快なエグ味が出てしまいやすい。
電子秤や計量スプーン、またはティースプーンで使う茶葉の量を計るようにしましょう。
ティースプーンは茶液を混ぜたり冷ます役割だけでなく、すくった茶葉の量がわかるように作られています。
計り方は葉の大きさ(等級)によって変わります。1杯あたりに使う茶葉は以下の通り。
・OP(オレンジペコー)…山盛り(約3g)
・BOP(ブロークンオレンジペコー)…中盛り(約2.5g)
・CTC(シーティーシー)…小盛り(約2~2.5g)
4. 汲みたての水を沸騰させて使用する
水は、紅茶の味を大きく左右する重要なポイントです。
飲み水と同じく、買ってきたペットボトル入りの水を使用して紅茶を入れる… という事をしていると、逆に茶葉のもつ本来の味を引き出せない結果になる。
理由は、その水の空気を含んでいる量。
ペットボトルに入った水や汲み置きの水を使用すると、空気の含有量が足りずに抽出の際に重要なお湯の対流を起こすことができません。
「沸騰しすぎたお湯」も、実は空気が減っているので気をつけましょう。
ただし、温度が不十分な(沸騰していない)お湯を使ってもいけません。
緑茶の場合は70~80℃が抽出の最適温度ですが、紅茶はより高温(100℃〜90℃に下がるまで)の間、茶葉の持つ味がよく抽出されます。
可能な限りこの時間を長くしてあげることで、美味しい紅茶に仕上がります。
5. 蓋をして、必要な時間をしっかり蒸らす
「抽出時間は適当にしている」という方もいますが、非常に勿体ないことです。
お湯を注いだら蓋をかけて、温度の低下+風味が抜ける事を防ぎ、しっかりと待ちましょう。
茶葉の大きさや形により、最適な抽出時間は違います。
大きな茶葉(OP)で3~4分、ブロークンタイプ(BOP)で2~3分、CTCでは1~2分です。
大体は商品パッケージに書かれているので、これをチェックしておきましょう。
番外. 上記以外の気を付けるべきルール
ゴールデンルールには入っていませんが、せっかくの茶葉を最大限に美味しい紅茶にするためにもう少し、気を付けるべき点があるのでお伝えしておきましょう。
地域性や時代の違いから、「コツ」と言われている事でも従うべきでない場合があります。
もしどこかで聞いたことのある内容であれば、この機会に知識の一助になれれば幸いです。
1. 最後の一滴(ゴールデンドロップ)まで注ぐ →×
紅茶を抽出した後カップに注ぎ分けていきますが、イギリスではこのとき最後の一滴を「ゴールデンドロップ」と呼んでその場の最も大切なゲストのところに注ぐ、という慣わしがあります。
最後の一滴は一番濃い味が出ており一番おいしい部分である、という考えから来ています。
しかしこれは、
①イギリスでは紅茶といえばミルクティーのこと
②イギリスの水は基本的に硬水であり、そもそも抽出される味が薄い
という2点の条件があって初めて成り立つ事です。
ミルクを使わないストレートティーを作る場合には、最後の一滴まで注ごうと時間をかけているうちに不快なエグい味が出てきてしまいます。
これは日本の軟水を使っている場合には、なおさらのこと。充分な抽出時間を待ったら、手早くざっと注いで切り上げた方がずっと美味しく仕上がると覚えておきましょう。
2. 人数分+1人ぶんの茶葉を使用する →×
「ポットのための1杯」「天使のための1杯」などの言葉を聞いたことがあるでしょうか。
むかし紅茶の茶葉がまだ不揃いで嵩張る形のものも多かった頃、人数分だけの茶葉+お湯の分量だと抽出が薄く美味しく入らない、という事情がありました。
そのためお湯の量は人数分のまま、茶葉の量を1人分余計に追加するというコツがありました。
現在では茶葉は適切にふるい分けられて均一になっており、この言葉に従うと抽出が濃すぎてひどくエグい味になってしまいます。
ただし、1人分の分量(目安:茶葉3g+湯150ml)だけで抽出するとお湯の対流が不十分で抽出が上手くいかない、という面もあります。
特によい茶葉は、最低2杯分(目安:茶葉6g+湯300ml)の量で抽出するようにしましょう。
終わりに
紅茶を美味しく淹れるためのゴールデンルール(+α)を紹介しました。
絶対に全て従わないと美味しい紅茶はできない…
とは言えませんが上記を理解しておくことで、その茶葉の持つ風味と香りをより効率的に引き出す助けにはなれると思います。
是非試してみてください。
美味しい紅茶を作るための手助けになれれば幸いです。
良いティータイムになりますように。

